名称: 道後温泉周辺広場
所在地:愛媛県松山市

 
 
 

 有史以来の歴史を誇る道後温泉本館は、この一軒で年間80万人もの集客をもたらし、昼夜を問わずおびただしい観光客を引き寄せて続けている。だが、浴衣姿の温泉客の至近を、タクシー、バス、旅館送迎車、一般車両が交錯する「るつぼ」のような光景は、決して第一級の観光地にふさわしいものではなかった。
  道後温泉から車道を引き剥がし、歩行者広場の海に浮かべなおして自由とゆとりを与えるのがコンセプトだ。道路線形が大きく整理され、通過車両は完全に閉め出された(北側側面のみは、ホテル利用者などの車乗り入れが部分的にある)。本館東側には、木造切妻のトイレと休憩所が配された交流広場もデザイン。落ち着いて建物を眺める場所が整えられた。
 これらには、歴史の「質感」にバランスするために、伊予電鉄の敷石に相当する、厚さ 10 cm、荒ノミ仕上げも鮮やかな手加工の自然石が敷き詰められた(本館正面には使い込まれた本物の敷石が寄贈された)。立ち上がるのは、「湯玉」を型取った襟飾りも華やかな鋳鉄製の照明柱や、モダンな石灯篭。百年前からこうであったような風景を目指し、さらなく百年を積み上げる基盤が整えられた。
監修・篠原修。ストリートファニチュア・デザインは南雲勝志。

 
 
 
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